遺言書が手書きのもので残っていたのですが、実際に公正証書として残していなければ何も意味をなさないのでしょうか?
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いいえ、手書きの遺言書(自筆証書遺言)でも、法律上は有効です。ただし、有効と認められるためには一定の要件を満たしている必要がありますし、公正証書遺言に比べてリスクがあることも事実です。 🔹 自筆証書遺言の有効要件(民法968条) 以下の要件を満たしていれば、法的に有効な遺言として認められます: 全文を本人が自筆で書いていること 日付が明記されていること 署名と押印があること ※2020年の法改正により、財産目録についてはパソコン等で作成・印刷し、各ページに署名と押印すればOKになりました。 🔹 自筆証書遺言の注意点 家庭裁判所での「検認」が必要になります(相続開始後、家庭裁判所に申立て)。 内容が曖昧・不完全だった場合、無効になるリスクがあります。 保管方法によっては、紛失・改ざん・発見されない可能性もあります。 🔹 公正証書遺言との違い 項目 自筆証書遺言 公正証書遺言 作成方法 本人が自筆 公証人の前で口述、書いてもらう 検認の要否 必要 不要 無効リスク 高い(形式不備など) 低い(専門家が関与) 保管 自己保管 or 法務局 公証役場で保管 🔸 結論 手書きの遺言でも、要件を満たしていれば法的には有効です。 ただし、トラブルを防ぐために、 法務局の「自筆証書遺言保管制度」を利用する もしくは公正証書遺言にしておく ことが、より安心です。